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このキャンプをする想い

第1回目ではありますが、私にとっては10年間構想し続けたキャンプです。

というのは、特別支援学校講師時代、サッカー部を担当して、大会に向け日々練習を頑張っていましたが、部活をしていない担任をしていた生徒の休みの日の活動は、ヘルパーさんと毎週レンタルビデオ屋へ行き、好きなやつを借りて、という休みの日の過ごし方をしていて、単純に「スポーツとか、アウトドアしたくないんかなあ。」と感じていました。

(レンタルビデオ屋を否定しているわけではありません)

​その疑問をそのまま懇談会の時に生徒の家族に伝えてしまったところ、「先生!そんなとこないんですよ!そんなん言うんやったら先生達が作ってください!」と叱られてしまいました。

講師をしている身として恥ずかしながら、そこで初めて、障がいがあるだけで、社会における境遇は違うということを知りました。

 

インターネットで調べても、「余暇活動の意義」のような名の論文ばかりで、なかなか余暇活動の情報には辿りつかない。阪神間のスポーツジムや各種スポーツクラブ、およそ100件は電話をしたと思います。

 

「障害者をどれだけ受け入れているのか。」という今思えば乱暴な質問をぶつけました。9割9分は否定的であったことにショックを受け、この問題の深さを知った私は、このまま教員を続けていていいのか?と考えるようになりました。

障がいがあったとしても、いつものゆったりした余暇だけではなく、一年に数回は刺激のある、ダイナミックな余暇を過ごしたい人もいるだろう。その受け皿が今の日本にはないことに違和感を感じて、いてもたってもいられなくなり、教員を辞め、アウトドアスキルを学びなおすべく、全国様々探した中で、最終的にこれだと目に止まったのが今回のキャンプでお世話になる「とちのき村」を指定管理者、日本アウトワードバウンド協会が主催する、冒険教育指導者講習「JALT」でした。

心が揺さぶられるほどの自然のパワー、仲間の存在、あきらめる自分、本気になる体験と、様々な気持ちが目まぐるしく沸き起こってくる69泊70日の研修は、あっという間に終わりました。

この時から、私が余暇活動をする際に伝えたいことが決まりました。

私は、楽しい雰囲気のレクリエーションなアクティビティも好きです。日頃、楽しいアウトドアを共有したり、ガイドをしてもいます。お笑いもよく見るし、友達の結婚式ではコントを創作したりもしてきました。それらは今後も続けるでしょう。

しかし、私が一番やりたいのは、

「心が揺さぶられるような体験や経験」

 

その後の人生の礎となり、人を成長させるチャンスがあるぐらい強い気持ちを感じるもの、そんな体験を提供したい。

 

障がいがあるからといって、自然の中での体験はできないわけではありません。車いすユーザーの方には、アウトドア用の車いすもあるし、知的や発達に障がいのある方々とは、とても多くの時間を過ごしています。アセスメントをしっかりし、ご家族や支援者へのご協力の態勢を整えられれば、工夫をしながら実施できる。そう考えて、構想10年、いよいよだなという想いになっています。

私たちと、これまで誰もやったことのない冒険キャンプにでかけませんか。

まずは1回目。ツリーイングとラペリングです。

​お会いできることを楽しみにしています。

HYOGO Universal Challenge Camp

ディレクター

​吉川 史浩

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